2つの大きな事件
どうもこんばんは。バクです。
先週ブログを立ち上げましたが、いきなり医薬品を取り巻く環境について、ビッグニュースが2つもありました。
1つ目は、セルジーンの行政処分。
これは、医薬品が市場に出た後の安全性に関わる調査の報告をメーカーが調べることを怠ってきたことが原因です。
とはいえ、セルジーンは日本ではとても小さな会社の部類に入る会社で、元々あまり安全性に関わる良い人材が揃っていなかったのでしょう。
本来なら薬を使用して、因果関係が分からなくても投薬された人が死亡した場合には、すぐに厚生労働省に報告する義務がある副作用のデータを、最大6年ほど報告していなかったのです。
他の会社から新しい人を雇ったら、「あれ、この会社の副作用のデータの扱い方おかしいんじゃね?」と気づいてしまったため、急いで会社の中を調べはじめたらしいです。
アメリカが本社だとか、抗がん剤は他の薬と違って見方が難しいだとか、会社の人数が少ないだとかで色々と説明が難しいためか、厚生労働省への報告がかなり遅れて行政処分となってしまったようです。
製薬業界は、大きい会社には優秀な人材が沢山いて競争がありますが、小さな会社では人材不足が続きます。
あまり理解してない人が、安全性の部門と他の部門とを掛け持ちしながら何とか業務をこなしていくことも少なくありません。
そして2つ目は、ノバルティスの論文問題の初公判が無罪だったこと。
いやー、これは予想通りでした。
高血圧の治療薬が、承認される前に行っている試験でデータ症例数を増やして改ざんした事件が5、6年くらい前にありました。
今回の裁判では、「意図的に症例数を作り変えて、嘘や誇大な広告をして購買意欲を煽ったので、薬機法違反だ!」という検察側の主張でした。
個人的には、これは医薬品メーカー側は購買意欲を煽るつもりじゃないと思っていました。
というのも、データ数を増やしたいのは基本的には医者の先生の意思だし、製薬メーカーは論文の執筆の手助けはしても、自分達から自ら試験のエキスパートとしてガンガン先生を引っ張っていくという感じではありません。
購買意欲を煽って薬機法に違反すると、会社がとんでもないダメージを受ける行政処分をくらいます。(甘い処分でトップが変わるくらいのもの。)
企業としては、とてつもなくでかいリスクを背負ってまで先生にお願いするメリットが普通に考えればないんです。
実際に症例数は増やされているので、受け入れたメーカーと元担当者を擁護するわけではないのですが、症例数を増やして良い実績を積みたかったのは先生の方な気がします。
最近、少しずつ暖かくなって来ましたが、色々な行政処分絡みのニュースが立て続けに起きています。医薬品業界も色々な企業がありますが、やはり規制をきちんと理解している人がいないとうまく回らないような時代になりつつあると感じています。
2回目の更新にして、いきなり中々ヘヴィな話題でしたが、次回の更新は週末にのんびりノンアルコールビールでも飲みながら、面白い話題を書きたいです。
読んでいただきありがとうございました。